セマンティックWeb委員会セマンティクWeb委員会 (Semantic Web Committee)

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セマンティックWeb委員会とは

現在、我々の日常生活においてはインターネットの普及により、欲しい情報が、いつでもどこでも簡単に手に入るようになった。しかし一方で、情報の氾濫により、有益な情報が大量の情報の中に埋もれてしまい、有益な情報が活用されていない、あるいは、必要な情報を見つけ難いといった新たな問題が発生した。

このため、これらの問題を解決するための次世代Web 技術としてセマンティックWebが注目された。セマンティックWebのルーツは、W3C (World Wide Web Consortium)が開発したインターネット上に氾濫している有害な情報を不用意に子供たちがアクセスしないようにWebに制御情報を加える仕組み、即ち、PICS (Platform for Internet Content Selection)である。

1999年にはPICS におけるメタデータ(データに関するデータ)の考え方を発展させ、Web 上のメタデータを関係つけ、且つ、機械的に処理できるように構造化した汎用性の高い意味記述方式であるResource Description Framework (以下RDFと記す)を規格化した。

1999年にW3Cの最高責任者であるTim Berners-Lee 氏がWebにセマンティクス(意味付け)を導入することを提唱し、2001年2月にW3CにセマンティックWebアクティビティが発足した。セマンティックWebは、Webにメタデータを付加する事によって現在のインターネット世界を一変させる可能性を大いに有している。

セマンティックWebは、高度な知識表現を可能にするオントロジ(Ontology)を包含しており、オントロジ記述の為の標準言語として、RDFを拡張して開発されたOWL (Web Ontology Language)が、W3Cにより開発されている。

OWL(通称:アウル)を用いることにより、複合概念や条件付概念など高度な概念記述が可能になると供に明示的事実から黙示的事実を演繹することも可能となる。

オントロジにより、様々な分野の情報資源であるWebドキュメントが使っている用語の意味の相互変換を自動的に行うことが可能となるので、Web上の情報を統合したり、相互に関係付けたりする事が容易になり、最終的にWeb全体を一つの巨大な知識データベースとして利用可能になると見込まれている。

セマンティックWebは、新しいサービスの創出と安全で豊かな国民生活をもたらす為に必須の技術と考え得るが、

等々解決すべきテーマが多い。

こうした広範囲なテーマを持ったセマンティックWebは、産学官の連携によって研究開発、実用化、普及推進が図られなければならないとの認識の基に、INTAPに於いて、セマンティックWeb委員会(平成17年度より次世代Web委員会と改称、以下、分り易くする為、セマンティックWeb委員会と記述する)は、平成13年6月(2001年6月)にタスクフォースとして活動を開始し、セマンティックWebに関する最新動向や有効性や課題などの調査を行い、平成13年11月以降は、専門委員会としての活動を開始し、平成20年3月(2008年3月)まで活動を行なってきたが、INTAPの解体に伴い、平成20年4月からは、慶應義塾大学SFC研究所の主催により、継続して委員会活動を行なうこととなった。

近年、セマンティックWeb技術は、医療分野での活用、サービス統合での活用、モデリング技術との融合など新たな展開を見せており、その動向は、目の離せないものとなり、この技術の重要性は、益々増しているものと言える。

セマンティックWeb委員会委員長
清水 昇 (慶應義塾大学SFC研究所)

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