2014年8月24日に名古屋駅にて「名駅地下街 バリアフリーマッピングパーティー」が開催されました。このイベントにご参加いただいた名古屋大学の一円真治さんに参加レポートを寄稿していただきました。

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 2014年8月24日(日)に名古屋駅地下街バリアフリーマッピングパーティーを名古屋駅近くのプライムセントラルタワー13階の会議室で開催しました。私は運営者兼参加者という立場で参加してきました。

 今回のイベントの目的は実際に駅の地下街を歩いて、バリアフリー情報(段差・スロープ・手すりの有無など)やその場所の写真を集め、地図上にマッピングすることで駅地下街バリアフリー地図を作成することです。加えて、9~10月に開催を予定している外出困難者支援アプリのための開発イベントにむけて、「車椅子の方は、どんなことに不満・不安を感じているのか?」、「どんなサービスが必要だろうか?」といった課題を見つけることも目的となっています。

 このイベントは東海地方のNPOにも協力をいただいていて、車椅子を生活で使っておられる方々も多く参加されていました。 本イベントの主催者である名古屋工業大学の白松先生による趣旨説明の後、地下街エリアごとにチームを決め、さて出発です!各チームは車椅子の方2~3人を含んだ6人ほどで5チームができました。会場には、高齢者体験グッズや車椅子が用意してあり、実際に体験しながら、街歩きができます。私は、せっかくなので車椅子に乗って街歩きにでかけることにしました。



 私のチームでは地下街のミヤコ地下街・新名フードという会場から一番遠いエリアに向かいました。会場のビルは駅まで地下通路でつながっておらず、外にでて、400mほど離れたエレベータに行かなければなりませんでした。つまり、名古屋駅地上から地下にいくには階段しかないのです!これは階段が使えない状況になってはじめて気付かされることでした。さて、目的エリアに到着したら、配布された地下街地図を見ながら、各店舗入口の段差の有無や通路の幅、エレベータの有無といった情報を集めて行きました。



 エリアの街歩きが終わった後は、会場に戻って情報の整理と街歩きを通じて感じた課題やほしいアプリについて各チームで話し合い、発表を行いました。



 私のチームでは、2つの課題をあげました。

1. 階段があってもエレベータが無いために地上や行きたいお店に行けないこと

2. 施設内の配色・形状の統一いったデザイン性重視の設計がされているがために、多目的トイレやエレベータの案内マークがわかりづらくなっている

 課題解決のためのアプリ・サービス案としては、スマートフォンアプリのみにこだわらず、以下のように色々な視点からの案を発表しました。

  • バリアフリー情報を考慮した音声ルート案内アプリ
  • (階段を使わず、段差がないルートを選択してナビをしてくれる)

  • ルート案内パンフレットの作成
  • ARと屋内位置測位技術を組合せて、紙のパンフレット上の案内ルートに現在地をARで表示することによるナビゲーションの実現
  •  今回のバリアフリーマッピングパーティーに参加して、おおげさですが世の中の見方が変わったと私は思っています。今までの生活の中で、道路の凹凸・エレベータや段差の有無・お店のカウンターの高さ・通路の幅といったことにあまり気を向けていませんでした。実際に車椅子に乗ってバリアフリー情報を集めることで、車椅子の入れるスペースがあるお店・飲食店しか入れないこと、数cmの段差が移動の大きな負担になっていることを、身をもって体感することができました。この経験を活かすためにも、9~10月にアイデアソン/ハッカソンを行い、継続的にバリアフリー情報マッピングパーティーを実施していきたいなと思いました。

    名古屋大学大学院工学研究科

    計算理工学専攻 修士2年

    一円 真治


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