【参加レポート】オープンデータ・サミット

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 2014年9月27日、慶應義塾大学三田キャンパスにて「オープンデータ・サミット」が開催されました。本イベントの様子を実行委員の和田 康宏さんに寄稿していただきました。

 

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 爽やかな秋晴れの中、慶応大学三田キャンパス南校舎ホールに於いて「オープンデータサミット」と銘打ち、LODチャレンジ2014キックオフイベントを開催致しました。
会場には100名を越える方々にお越しいただきました。

 

 

 イベントは「第一部:LODチャレンジキックオフ宣言」「第二部:オープンデータサミット」の二部構成で行いました。

 
●第一部:LODチャレンジキックオフ宣言

 開催に先立ち実行委員長 荻野より挨拶の後、LODチャレンジ実行委員会事務局の乙守よりLODチャレンジ2014の開催について説明させていただきました。

 

 

 引き続きLODチャレンジ2013でそれぞれアイディア部門の最優秀、優秀賞を受賞された2作品について、受賞された2チームを代表して一般社団法人オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパンの木田様とライフサイエンス統合データベースセンターの山本様より講演いただきました。

 
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木田 和海(一般社団法人オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン)
「足で稼ぐデータ ~『通勤情報解決プロジェクト』を例にしたOpenStreetMap 活用のポテンシャル~」

 
山本 泰智(ライフサイエンス統合データベースセンター)
「メイド・イン「地元」~「地域愛」と「オープンデータ」を活用した地域活性化~」

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(発表順、敬称略)

     

 LODチャレンジ実行委員会では国内の各地で「アイディアソン」「データソン」「ハッカソン」などを開催、または共催し、様々な「Link = つながる」を広める取り組みを行っています。この「つながる」運動はデータとアプリだけに止まらず「イベント」と「イベント」、人と人の繋がりを大事にしてきました。今回発表いただいた2チームはこの「つながる」で成果をあげられ、その素晴らしさと可能性を私たちに教えてくれました。

受賞作品については下記のページで紹介しています。

メイド・イン「地元」~「地域愛」と「オープンデータ」を活用した地域活性化~

通勤情報を可視化することによる通勤問題解決

 

 次にプラチナスポンサーである日本マイクロソフト株式会社の大田様、株式会社朝日新聞社の崎川様より講演していただきました。

 
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大田 昌幸(日本マイクロソフト株式会社)
「マイクロソフトと実現する “オープンデーターを活用した未来” 」

 
崎川 真澄(株式会社朝日新聞社)
「データジャーナリズムハッカソンを中心とした朝日新聞“未来メディアプロジェクト”の取り組み」

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(発表順、敬称略)
 
 
●第二部:オープンデータサミット

 第2部では7名の有識者の方々に講演を行っていただいた後でパネルディスカッションを行っていただきました。

以下、登壇いただいた有識者の方々のお名前と講演タイトル、スライドです。
 
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庄司 昌彦(Open Knowledge Foundation Japan)
「Open Minds to Open Action」

 
村上 文洋(株式会社三菱総合研究所/オープンデータ流通推進コンソーシアム)
「オープンデータ流通推進コンソーシアムの活動紹介とこれからのオープンデータについて」
「オープンデータの狙い」


 
小俣 博司(Code for Japan/オープン川崎)
「Code for Japanの活動紹介と地域コミュニティ」

 
関本 義秀(東京大学生産技術研究所/アーバンデータチャレンジ東京)
「アーバンデータチャレンジ2014とサステナブルの情報流通への取組について」

 
竹内 聡 (福岡市役所/ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会)
「福岡市におけるオープンデータの活用推進に向けた取組み」

 
豊田 哲郎(独立行政法人理化学研究所/LODチャレンジ実行委員会)
「オープンデータと成果の官民統合データベース」

 
高梨 益樹(富士通株式会社/LODチャレンジ実行委員会)
「データ活用ビジネスから見たオープンデータ」

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(発表順、敬称略)
 

 ディスカッションでは「オープンデータを活用して目指す社会とそのために実現したいこと」をテーマに議論していただきました。会場の方々からtweetを通していただいたご意見や質問をディスカッションに反映する、という形をとり活発なやりとりが行われました。

 

 
オープンデータの推進により経済的な効果、官民が協働して公共サービスを提供する社会の実現などが見込まれる、との見通しについては

・オープンデータを活用して目指す社会を現時点で1つの方向に決めるのはまだ早い。
・まだ取組が乱立する混沌で良い。成果の事例ではなくオープンデータを公開、活用、評価のプロセスを重視すべき。

などの意見が寄せられました。
 
また、上記にある「プロセス(トライアル)」を推進してゆくには何が必要か?という質問に対しては

・ ハッカソン作りっぱなし問題や役立つアプリケーション作りに繋げるためにハッカソンの先に普及・ビジネス化を目指した「マーケソン」というイベントが効果を発揮するのでは?
・活用組織が多々ある中でコミュニティに参加しなければオープンデータを活用できないという状況は防ぐ必要がある。そのために、活用しやすいデータ基盤を整えることで、 まずは1人でも始められて、データを媒介して随時仲間が増えて、緩やかに繋がって行ける社会を目指したい。

などの意見が寄せられ、これからも多くの組織、参加者を巻き込んでオープンデータの活用方針や課題を共有する場を設けていくことで意見が一致しました。
 
私自身、今回のイベントでは会場の枠を越えてtweetを介し「オープンデータ」に関する議論を共有出来たことが一番の成果だったと感じます。
当日のtwitterでのつぶやきをまとめたTogetterでも当日の議論の流れ、盛り上がりが確認できます。
 
LODチャレンジ2014がスタートしました。2015年1月18日の締切りまでの間には数ヶ所でLODチャレンジデーも開催いたします。あなたも是非、「つながる」運動にご参加ください!

LODチャレンジ実行委員
和田 康宏

Written by lod-committee

10月 15th, 2014 at 1:25 am

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